ラウタロ・マルティネス

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ホームイベントBBLセミナー2016年度 税務データを用いた分配側GDPの試算 印刷 講演内容引用禁止 開催日 2016年9月15日 スピーカー 藤原 裕行 (日本銀行調査統計局企画役) モデレータ 荒田 禎之 (RIETI研究員) 開催案内/講演概要 我が国の経済の実態を把握するうえで最も重要な統計であるGDP統計を税務データを用いて分配側から推計した。現行GDP統計では、分配側GDPは、生産側GDPに等しくなるように、営業余剰・混合所得を調整している。ここでは、米国の例も参考にしながら、税務データ等を利用し、営業余剰・混合所得の直接推計を試みた。また、その際、現行GDP統計では毎月勤労統計、労働力統計等から推計している雇用者報酬についても、税務データから推計した。得られた結果からは、支出側、生産側GDPと、本稿で試算された分配側GDPとは大きなかい離がみられた。こうしたかい離がなぜ生じているのかについてはさらに詳細な分析が必要であり、本稿で試みた直接推計の手法についてもなお改善の余地があろうが、ここでの試算値は、日本経済をみるうえで、ひとつの視座を与えるものと思われる。 議事録 ※講師のご意向により、掲載されている内容の引用・転載を禁じます はじめに BBLセミナーの講演にお招きいただきありがとうございます。今回は、わたくしどもの個人論文「税務データを用いた分配側GDPの試算」についてのご説明ですので、本日お話しさせていただく見解は全て、わたくし個人のものとなります。 我が国GDPにおける3面推計の体系 GDP統計には3面等価の原則があり、理論上、支出側、生産側、分配側のGDPは同じ値になります。しかし、実際には支出側、生産側は独立して推計しており、使われる基礎資料が異なることなどから、両者は一致しません。一方、分配側は独立推計せず、生産側の数値と一致させる形になっています。内閣府が四半期ごとに発表するGDP速報値(QE)は、支出側と雇用者報酬のみが作成・公表されています。 支出側GDPは、産出額などから設備投資、個人消費、中間消費の配分を決めていくコモディティ・フロー法で推計しています。一方、生産側GDPは、産出額から中間投入を差し引いて算出した産業別の付加価値額を合計して推計する付加価値法を用いています。両者の産出額は同じものを使っているので、かい離はそれほど大きくありません。分配側GDPは、生産側GDPの合計と一致させるため、営業余剰・混合所得を残差で推計する方法(残差営業余剰)をとっています。 分配側GDPの独立推計の必要性 このように、現行GDP統計では支出側・生産側の2面を推計していて、支出側GDPを本系列として利用しています。しかし、支出側・生産側GDP推計の基礎資料としている経済センサスなどの統計調査は、近年、調査環境の悪化(企業や家計の協力度合いの低下)による統計精度の低下が懸念されています。 そこで、統計調査ではなく、より捕捉率が高いと思われる家計や企業の所得に関する税務データを利用して、分配側GDPを独立して推計することにしたわけです。所得および税額を過大に申告するとは考え難いので、本分析のGDP推計値は堅めと思われます。 分配側GDPの推計項目数が少なくなっています。項目立ては雇用者報酬(賃金・俸給+雇主の社会負担)、混合所得、営業余剰(企業収益)、固定資本減耗、生産・輸入品に課される税-補助金となり、雇用者報酬のうちの雇主の社会負担と税-補助金は推計精度が高いとみられますので、現行値をそのまま使います。よって、雇用者報酬のうち賃金・俸給と、混合所得、営業余剰、固定資本減耗が推計対象となります。 たとえば、賃金・俸給は現行、毎月勤労統計の1人当たり賃金に雇用者数を掛けて算出していますが、最近はパートを掛け持ちする人も増えていることから、延べ人数まで含めてしっかり調査できていないと正確な推計は難しくなります。一方、私どもの推計では、全市区町村が持っている税務データ、つまり個人住民税の課税対象者の給与収入額の合計をそのまま利用して推計することにしました。非課税対象者分は別途推計しなければなりませんが、9割以上はカバーできるので確度は高いと思います。 雇用者報酬の試算 現行GDPの雇用者報酬(賃金・俸給)と個人住民税の納税義務者の給与収入額は、近年はほぼ一致しています。その一方で、国民経済計算(SNA)の雇用者数は個人住民税の納税義務者数を大きく上回っています。これは、非納税義務者の分を考慮すると実際の給与収入額は現行GDPの雇用者報酬(賃金・俸給)を上回ることを意味します。 税務データを用いて試算すると、1994年時点では現行GDPとのかい離はほぼありませんが、その後は試算値が現行値を上回って推移し、かい離幅はだんだん広がっていき、2014年には試算値が現行値を約14兆円上回るという結果が出ました。相当細かい推計方法をいくつか試してみても結果にそれほど差はありませんでした。 営業余剰の試算 雇用者報酬は給与収入という分かりやすいデータがあり、役員賞与などのずれだけを調整すれば推計できましたが、営業余剰はSNAベースと企業会計ベースの違いがいろいろ出てきますので、簡単ではありません。 まず数値をみると、現行GDP(SNAベース)における営業余剰と法人企業統計(企業会計ベース)における営業利益はそれほど差がないのですが、SNAベースの総固定資本形成と企業会計ベースの設備投資では圧倒的にSNAベースの方が上回っており、それがために有形固定資産残高、固定資本減耗と減価償却費もSNAベースの方が大きくなっています。 実は、SNAと企業会計では、設備投資の計上範囲が大きく異なるのです。SNAは、1年間はストックとして残るものについて、生産能力があれば計上するという考え方で設備投資を広く捉えています。無形のソフトウェアも基本的には計上します。それに対して企業会計は、ソフトウェアは収益に貢献することが確実なものは計上するという考え方です。また、少額のものは消耗品費に入れたりして、中小企業であれば当期の費用に計上できる範囲が広くなっています。 以上のようなSNA会計と企業会計のずれを配付資料の数値例で示しますと、当期の売上高を100、購入費を50としたとき、購入費について、SNA会計では50のうち30が中間投入、残り20は設備投資に計上するのに対し、企業会計では40を当期費用に、10を設備投資に計上します。その結果、設備投資に計上した分は当期費用にはならないので、第1期の営業余剰はSNA会計が100-30=70、企業会計が100-40=60で、SNA会計の方が10大きくなります。 第2期以降も、設備投資が発生すると期末の固定資産として計上されるため、減価償却や固定資本減耗もSNA会計の方が企業会計よりも大きくなります。また、第2期には固定資本減耗10と減価償却5がそれぞれ加わってSNA会計の営業余剰60に対して企業会計の営業利益は55となり、その差は10から5になります。ただ、SNA会計の営業余剰と固定資本減耗を足したものと、企業会計の営業利益と減価償却を足したものとでは、SNA会計の方が常に10大きくなっています。また、営業余剰と営業利益との差は、減価償却と固定資本減耗との差がどれだけ出てくるかによっても変わってきます。 ポイントはSNA会計の方が設備投資の範囲を広く取られているところで、それを推計上、勘案しなければなりません。そこで、法人企業統計の営業利益から推計するに際し、法人企業統計における営業利益と減価償却費だけでは合計が小さくなるので、GDPにおける設備投資と法人企業統計における設備投資の差を足し合わせることで、概念調整を行いました。 この他、営業余剰ではFISIM(間接的に計測される金融仲介サービス)と呼ばれる金融費用が控除されていること、在庫品(棚卸資産)の評価損益は営業利益に反映されますが、SNA会計では評価損益を入れてはいけない仕組みになっています。そうした概念上のずれをできるだけ調整しました。 このようにできるだけ概念調整を図ったうえで、営業余剰と固定資本減耗を合わせたものを営業利益と減価償却費などから推計しました。便宜上、固定資本減耗の試算値は現行のGDP統計と一致すると仮定して、単純に残りの営業余剰の現行値と試算値を比較していますが、厳密には営業余剰と固定資本減耗の合計とその差を試算していることになります。 その上で、法人企業統計はサンプル調査ですので、それ自身にも一定の誤差が残っています。それを補正するために、分母に法人企業統計の年報の「法人税・住民税・事業税収」の数値、分子に実際の算出額ベースの税収を置いた比率を年報の営業利益に掛けて、営業利益を補正しています。これにより、法人企業統計の年報の税収対比、税収がより変動していれば、その比で補正をされることになります。 その結果、2014年度はGDP統計では営業余剰が減っていますが、法人企業統計に基づいた試算では営業余剰は増えており、税補正を行うとさらにその伸びは大きくなりました。私自身もやや強めに出過ぎていると感じていますが、他にも法人税収の伸びなど幾つか試算してみても幅は異なりますが、営業余剰は増加しています。 なお、法人税収を使うことについては議論があるところで、企業は決算後に納税するため、決算時期によって政府税収と若干ずれがあるのは事実です。ただ、企業の多くが3月期決算であり、国の出納整理期間(翌年度4〜6月)に納付された分は国の会計上も前年度の政府収入とされるので、ずれはそれほど大きくないと考えています。 混合所得の試算 混合所得は現在10兆円強まで減ってきていて、国税庁の個人事業主の申告所得データから推計したものとも、差が小さかったので、これは差がないものとして、雇用者報酬と営業余剰のずれだけを使って分配側GDP全体を推計することにしました。 個人事業主の税務データは、昔は課税所得の捕捉率の格差を指して「クロヨン(964)」といわれたほど補足が難しいとされていましたが、近年は200兆円を軽く超える雇用者報酬に対して個人事業主の所得は10兆円強まで減ってきています。給与所得者の給与明細はガラス張りでしょうから、税務データの有用性が高まっているといえると思います。 分配側GDPの試算結果と現行GDPとの比較 試算値(分配側GDP)と現行値(支出側GDP)を比較すると、1994年ごろにはほぼ一致していましたが、その後は主として雇用者報酬のかい離幅拡大を反映して試算値が現行値を上回ってきており、2014年度は営業余剰のかい離も大きく寄与して29.5兆円という過去最大のかい離幅となりました。成長率でみても、現行値がマイナス1%であるのに対し、試算値は2%を上回るプラス成長となっています。 なお、法人税収の比率による補正は、法人企業統計が持つ誤差が営業利益と税科目とで同率であると仮定していることになります。しかし、標本調査である以上、それ自身も一定の誤差が残るとみられます。たとえば、2014年度は、法人企業統計の営業利益が増加する一方、法人税などの値がやや減少しており、比率補正も大きめに出ている可能性があります。そこで、法人税収の伸び率で営業利益を算出する方法による試算も実施しました。結果は概ね同様な結果となったほか、試算値の振れが一層均されることとなり、2005年度のプラス成長や2014年度の消費税率引き上げ時の成長率鈍化などの推計結果が得られました。 ただし、法人企業統計は、振れはありますが、どちらかの方向にずっとバイアスがかかっているような統計ではないと考えると、分配面の試算に基づけば、2013〜2014年度でならして、現行推計を一層上回る成長であったとの結果が出ています。 ちなみに、2014年度の試算値が、小さく出ている面もあることを補足しておきたいと思います。2014年度に消費税率が5%から8%に上がりましたが、地方消費税分の計上は多くが2015年度であり、GDP統計上、そこが一部反映されておらず、この税率引き上げ後の消費税の納入時期のずれから、低くなっている面があります。 試算値と現行値のかい離の要因 試算値と現行値のかい離の要因を分析すると、20年ぐらいかけて長期的に拡大してきた動きと、2014年度だけ大きくかい離した動きとに分けられると思います。実際に検証できているわけではありませんが、可能性として以下の2点が挙げられると思います。 長期的拡大の要因の可能性としては、経済センサスと税務データの対象企業数のかい離が長期的に拡大傾向にあり、直近ではその差が90万社近くに広がっていることが挙げられます。その差は小規模な企業が多いとみられますが、何らかの付加価値を生んでいると思われます。 2014年度に大きなかい離がみられた要因の可能性の1つとしては、消費税調整が考えられます。現行GDPの基礎統計は税込みを前提としていますが、会計上は税抜きの企業が多いことから、回答に税抜きが混入している可能性があるとみています。税込みを前提として集計する場合、税率抜きで回答してしまうと、統計上は実際より少なく集計されてしまいますし、税率が上昇した年はそのかい離が拡大することになります。 まとめ 現行GDPは統計調査に基づいていますが、統計調査は実施環境の悪化に伴い捕捉率が低下し、計数の把握が難しくなっていると思われます。現行GDPは、2014年度には水準で約30兆円、成長率でも3%以上、試算よりも小さくなっています。 それに対し、税務データは基本的に全数調査なので、計数の正確性が高いといえます。税務署による経済活動の補足率は100%とはいえませんが、統計調査よりは高いと考えられ、実際に税務データを利用して所得面からGDPを試算すると、現行GDPよりも大きな値になります。 以上から導かれるメッセージは、カバレッジの広い税務データを用いて分配側GDPを独立推計することにより、現行GDPの精度をチェックするための新たな材料を提供することができるということです。また、GDPの精度向上に向けて、基礎統計の精度向上だけでなく、税務データの活用など推計方法に一段の工夫を凝らすことが望ましいと考えています。 質疑応答 Q: 雇用者報酬の試算値と現行値の差がかなり大きいということでした。現在使っている賃金収入の数字はそもそもおかしいという話にもなりかねませんが、課題や改善点はどこにあるとお考えでしょうか。 A: 雇用者報酬のかい離の要因が、1人当たり賃金にあるのか、人数にあるのか、結論付けることは難しいと思います。 1人当たり賃金面からみますと、毎月勤労統計は全数調査ではなく、母集団のパート比率などをあらかじめ設定して推計しています。統計調査と税務データの企業数にかい離がある結果、母集団情報が全部把握できていないとすると、正確な人数も分かりませんし、想定した比率が違えば1人当たり賃金の計算も変わってきます。 一方、人数面は、現行推計で利用している国勢調査や労働力調査は水準としてかなり精度が高いとみられます。ただし、複数のところで働いている人のカウント方法には議論があるかもしれません。近年パートの掛け持ちをしている人が増えているとの話がよく聞かれますが、現行推計では、就業構造基本調査をベースに、副業保有者の比率は小さいままにとどまっています。 Q: 今回の推計は、景気が谷のときにはマイナスが大きく出て、景気の上昇局面では伸び率が高く出る傾向がある。その背景として、景気が良くなる局面では、掛け持ちでパートをする人が労働市場に投入されるので誤差が大きくなり、SNAベースでは設備投資として把握する部分が大きい分、コストが複数年度に分散されるので、山谷があるモデルになる。これはより実態に近いと評価されているとの理解でいいでしょうか。 A: 今回の試算では、景気の改善局面には営業余剰の試算値が上振れて、後退局面には下振れるという傾向が出ています。雇用者報酬が増えても現行推計では営業余剰で調整されるので、そうした傾向が雇用者報酬によるものというよりも、設備投資の動きが表れているのではないかという可能性をにらんでいるのですが、現在、エビデンスまでは用意できていません。 なお、2014年度は消費税率の引き上げがあったので、消費税調整の問題は支出項目全てにわたってその影響が出る可能性があると思うのですが、それ以前については雇用者報酬が現行比上振れても、家計消費が上振れない方が金融面との整合性が高まります(家計は現預金を多く積み上げています)ので、どちらかというと設備循環の話で説明した方が全体として整合的ではないかというのが、今のところの暫定的な頭の整理です。 Q: 2015年度がどうなるかによって、もう少し評価しやすくなると思うのですが、2015年度の推計をされるお考えはありますか。 A: 今回の試算のため、2014年度の税のデータが全部集まったのはこの6月で、3〜4月の税務データが入る前の暫定的な試算値では20兆円台前半かと思っていた現行推計とのかい離幅は最終的に30兆円近くまで増えました。このように、税務データが集まるのは遅いため、数字がすぐにまとまらないのです。今後の扱いはまだ決まっていませんが、先行き計数も知りたいという要望があることはわたしの職場に伝えます。 Q: 近年は海外所得が増えています。外国税額が算出税額に占める比率を利用して単純に調整すると、多分、外国所得の方が大きめに出ます。日本の法人税率は30%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均が20%なので、20%分が外国所得の比率だと思って引いてしまうと、海外所得が低めに出て、実際に調整した余剰額の中には外国所得の分もまだ残っているのではないかという気がするのですが、税率も含めて調整されたのでしょうか。 A: 在外支店の営業利益については、会社標本調査という統計を使っています。外国税額控除になっていて、アメリカのように法人税率が高いところもあって、実際の税額とは違うときもあると思うのですが、その比率を少し調整する方法で概念上近づけるしかないと思っています。外国税額控除という項目の比率を使って外国所得の比率だとみなす推計方法で、ずれはそれほどないと思います。 Q: 実際は海外所得に対して平均20%現地で支払い、それが控除されています。日本の国税当局は残りの10%分を取れるわけで、海外の20%分の比率だけで計算すると残り10%分の所得が上乗せされてしまいますから、法人の営業余剰分の数字は、実質よりもふくらんでいるのではないかと考えたのですが。 A: ご指摘を踏まえ、OECDによる平均税率を用いてさらに調整する手もあるかもしれません。ただし、外国税額が全体に占める比率は数%程度で、直近でも法人税全体が10兆円を上回るのに対して外国税額控除額は1兆円に届いていなかったと思うので、その調整をしてもそれほどインパクトはないとみています。しかし、おっしゃるとおり、より精緻化する余地はあると思います。ご指摘いただきどうもありがとうございます。 Q: 絶対値としてのGDPの水準にかい離があるとして、現行のGDP統計で項目別に考えたときに雇用者報酬が過小評価になっているのは、GDP統計では消費が思ったよりも少なくなってしまっていると考えるべきなのでしょうか。 A: 私は支出側について推計しているわけではありませんが、先ほど申し上げたように、金融面との整合性をチェックする中では、雇用者報酬がもう少し多くて消費は多くならない方が、整合性は高まります。家計は現預金をかなり積み上げているので、雇用者報酬が思ったよりも多ければ消費性向は変わらないはずなので消費ももっと多いはずだという話にはなりませんし、政府の支出が合っていないこともあまり考えられないので、やはり大きくは設備投資の違いで説明した方が整合的になると考えています。 この議事録はRIETI編集部の責任でまとめたものです。 イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 2024年度 2023年度 2022年度 2021年度 2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度 2012年度 2011年度 2010年度 2009年度 2008年度 2007年度 2006年度 2005年度 2004年度 2003年度 2002年度 2001年度 終了したセミナーシリーズ 情報発信 ニュースレター 更新情報RSS配信 Facebook X YouTube 研究テーマ プログラム (2024-2028年度) プログラム (2020-2023年度) プログラム (2016-2019年度) プログラム (2011-2015年度) 政策研究領域 (2006-2010年度) 経済産業省共同プロジェクト プロジェクトコンテンツ 調査 フェロー(研究員) 論文 ディスカッション・ペーパー(日本語) ディスカッション・ペーパー(英語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(日本語) ポリシー・ディスカッション・ペーパー(英語) テクニカル・ペーパー(日本語) テクニカル・ペーパー(英語) ノンテクニカルサマリー 英文査読付学術誌等掲載リスト Research Digest 政策分析論文 調査レポート 論文検索サービス 出版物 RIETIブックス(日本語) RIETIブックス(英語) 通商産業政策史 著者からひとこと RIETI電子書籍 年次報告書・広報誌(RIETI Highlight) その他出版物(日本語) その他出版物(英語) イベント シンポジウム ワークショップ BBLセミナー 終了したセミナーシリーズ データ・統計 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